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外国為替証拠金取引(FX)業者、マネーパートナーズのディーリングルームでは、ドル円相場が1ドル=160円を超えたことを示していた=2024年6月27日午後、東京都港区
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 円安が再び加速している。26日の米ニューヨーク外国為替市場で一時1ドル=160円80銭台をつけ、1986年12月以来の円安ドル高水準となった。背景には、日米の金利差がある。財務省幹部の「口先介入」も効果は弱く、政府が円買いドル売りの為替介入に動くかが焦点となる。

 対ドル円相場は日本時間26日夕、約2カ月ぶりに160円台を突破した。財務省の神田真人財務官は同日夜、「最近の急速な円安の進行には深刻な懸念を有しており、高い警戒感をもって注視している」と述べ、市場を牽制(けんせい)した。だが反応は鈍く、米国市場で160円88銭まで下落。約38年ぶりの円安水準となった。それを受けた東京市場では、27日午後5時時点で160円54~56銭だった。

 要因の一つは、日米の金融政策の違いだ。米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は粘り強いインフレ(物価上昇)を背景に、利下げに動けないでいる。今年初め、市場は年内に6回利下げするとみていた。だが強い経済指標の公表が続き、FRB高官からも利下げに慎重な発言が相次いでいる。市場も弱気になり、現在は2回程度まで減った。

 一方、日本銀行は今月の金融…

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